以前にブログに記載しました、C#7で追加された分解の機能に関係するお話。
この分解が増えたことで、LINQのZip拡張メソッドをもっと使いやすくできるのではなかろうかと思い、新しいZip拡張メソッドを作成してみました。
まず、いままでのZip拡張メソッドの例。
var xArray = new[] { 1.1, 2.2, 3.3 };
var yArray = new[] { 4.4, 5.5, 6.6 };
foreach (var item in xArray.Zip(yArray, (x, y) => new { x, y })) {
Console.WriteLine($"X={item.x} , Y={item.y}");
}
xArrayとyArrayをマージして新しい匿名クラスを作成しています。
匿名クラスを作成するラムダ式を指定するのが面倒ですね。
で、新しく追加したZip拡張メソッドを使用すると以下のようになります。
var xArray = new[] { 1.1, 2.2, 3.3 };
var yArray = new[] { 4.4, 5.5, 6.6 };
foreach (var (x, y) in xArray.Zip(yArray)) {
Console.WriteLine($"X={x} , Y={y}");
}
匿名クラスを使用せず、Tupleクラスのインスタンスを返すようにしました。
C#7で増えたタプルではなく、昔からあるTupleクラスなので、通常ならば値にアクセスする場合、item.Item1やitem.Item2などのようにxやyの名称がなくなり可視性が悪いですが、分解のお陰で、xとyの名称そのままで値にアクセスできるようになりました。
ちなみに、新しく作成したZip拡張メソッドの実装は以下となります。
public static IEnumerable<Tuple<T1, T2>> Zip<T1, T2>(this IEnumerable<T1> items1, IEnumerable<T2> items2) {
return items1.Zip(items2, (item1, item2) => Tuple.Create(item1, item2));
}
同じようにして、3つのシーケンスをマージするメソッド、4つのシーケンスをマージするメソッドと、いくつか作成しておくと便利です。